「野手として動ける体にするためには、もうちょっと痩せないといけない」
その言葉の裏には、並々ならぬ決意が隠されていた。
今季終了後、野手への転向を決断した阪神・西純矢選手。彼が今、バットを振ること以上に力を入れているのが「肉体改造」だ。
そのために彼が捨てたもの。それは、大好物のコーラやカフェオレ、そして―「おっとっと」だ。
1. ドラ1の栄光も、エースナンバーも捨てて
野手転向という決断は、彼から多くのものを奪った。
まず、年俸は大幅にダウン。そして何より象徴的なのは、背番号の変更だ。
ドラフト1位で入団し、期待を込めて背負ってきた「15」番。しかし、野手転向に伴い育成契約となった彼に与えられた新しい番号は、3桁の「120」だった。
これは単なる数字の変更ではない。「投手・西純矢」としての栄光もプライドも一度リセットし、文字通り「ゼロ」から這い上がるという、覚悟の証なのだ。
2. 「甘さ」との決別
そんな彼にとって、森永製菓の「おっとっと(うすしお味)」は、コンビニで目に入るとつい手が伸びてしまうほどの好物だったという。
「たった一口で手が止まらなくなるんです」と苦笑する24歳の素顔は、あまりにも等身大だ。
しかし、彼はその「甘え」さえも自ら断ち切った。
秋季キャンプ前の体重100キロから、猛練習と節制によって17日間で約6キロの減量に成功。現在は95キロまで絞り、さらに来春のキャンプまでに90キロを目指すという。
たかがお菓子、されどお菓子。大好きなものを「厳禁」とするその姿勢は、背番号120を背負う男の、退路を断った真剣勝負そのものだ。
3. 空腹の先に待つ「一軍」というご馳走
「走攻守で勝負できないと試合では使ってもらえない」。
SGL尼崎の室内練習場で黙々とバットを振り込む彼の視線は、すでに来季の開幕を見据えている。
「おっとっと」の誘惑に打ち勝ち、手に入れた引き締まった体。
その肉体でグラウンドを駆け回る姿は、きっと首脳陣やファンを「おっ」と言わせるに違いない。
空腹に耐え、3桁の背番号で泥にまみれた先には、きっと「一軍での活躍」という最高のご馳走が待っているはずだ。
【編集部より、西純矢選手へエール】
背番号が3桁になろうと、ファンの期待は1ミリも減っていません。むしろ、全てを捨てて挑戦するその姿に、私たちは心を打たれています。
苦しい減量と練習を乗り越えて、来季、再び甲子園で輝いた夜には……自分への最高のご褒美として、大好きな「おっとっと」を山ほど食べてください!
新しい背番号120、西純矢選手の誕生を、心から楽しみに待っています。頑張れ、純矢!
(了)灯屋新聞編集部 橋野しおり


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