【論評】「宇宙人」が「名伯楽」になる日。指導者・糸井嘉男がタイガースにもたらす革命

論説・オピニオン

かつて、これほどまでに愛された「宇宙人」がいただろうか。
投手から野手への転向、史上最年長での盗塁王、驚異の身体能力。
「超人」糸井嘉男氏は、現役時代、常識の枠にはまらないプレーと言動で私たちを魅了し続けた。
​そして今、彼は指導者(スペシャルアンバサダー)として、再びタイガースのユニフォームに袖を通している。
私は予感している。この男が、指導者としても「規格外」の革命を起こすのではないか、と。


​1. 「天才」が言葉を持ったとき
​現役時代の彼は、しばしば「感覚派」「天才」と評された。
身体が勝手に反応するタイプの選手は、凡人の悩みが理解できず、名コーチにはなりにくい――スポーツ界にはそんな定説がある。
​しかし、糸井氏は違う。
彼が西純矢選手や若手野手にかける言葉を聞いていると、そこには天才特有の突き放した感触がない。
「もっとやれる」「俺を超えろ」
シンプルだが、相手の魂に火をつける、強烈な「肯定」のメッセージが込められている。
​彼は技術を細かく教えるというより、「自分自身が気づいていない可能性」を信じ込ませる天才なのだ。


​2. 「陽のオーラ」という最強の指導法
​昭和・平成の野球界は、厳しさや緊張感で選手を追い込む指導が主流だったかもしれない。
だが、令和の若き才能たちは違う。萎縮させれば小さくまとまり、乗せればどこまでも伸びる。
​そこで糸井嘉男という存在だ。
彼の周りには、常に底抜けに明るい「陽のオーラ」が漂っている。
失敗しても「次はどうする?」と笑い飛ばしてくれそうな、あの空気感。
「この人の前なら、思い切りバットを振っても大丈夫だ」
選手にそう思わせる心理的安全性こそが、今の時代の指導者に最も必要な資質ではないだろうか。


​3. 宇宙人から名伯楽へ
​日ハム時代から彼を見てきた一ファンとして、感慨深いものがある。
かつては自分のポテンシャルを持て余すように暴れ回っていた「宇宙人」が、今はそのエネルギーをすべて後輩たちの成長のために注いでいる。
​彼が育てるのは、小さくまとまった優等生ではないだろう。
彼と同じように、常識を打ち破り、見る者をワクワクさせる「超人」たちの誕生だ。
​糸井嘉男が「名伯楽」と呼ばれる日。
それは、タイガースが真の常勝軍団へと進化する日と重なるはずだ。
​(了)筆者;灯屋新聞編集部 橋野しおり

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