旅に出たいと思った。
けれど、現実の足は動かなかった。
時間も、お金も、体力も、
「行けない理由」ならいくらでも揃っていた。
それでも、
世界を見たい気持ちだけは、
どうしても閉じられなかった。
だから私は、
図書館列車に乗ることにした。
この列車は、線路の上を走らない。
本のあいだを、ページのすき間を、
想像力という燃料だけで走る列車だ。
窓の外に広がるのは、
地図ではなく、言葉。
切符は、しおり一枚。
行き先は決まっている。
世界に点在する、
「人の祈りや時間が染み込んだ場所」――
パワースポットと呼ばれる場所たちだ。
本当に行ったことがあるわけじゃない。
でも、不思議なことに、
この列車に乗ると
「現地に立っている感覚」だけは、確かにある。
石の冷たさ。
風の匂い。
夜空の重さ。
それらを、私は
文章という形で記録していく。
これは、
豪華な旅の記録じゃない。
SNSで自慢する旅でもない。
行けなかった人のための、もう一つの旅。
そして、
自分自身が生き延びるための旅だ。
次の停車駅から、
本格的に旅が始まる。
🚂 図書館列車が向かう場所
世界の超パワースポット BEST10
① マチュピチュ(ペルー)
② セドナ(アメリカ)
③ ウユニ塩湖(ボリビア)
④ ストーンヘンジ(イギリス)
⑤ モンサンミッシェル(フランス)
⑥ ナスカの地上絵(ペルー)
⑦ グランドキャニオン(アメリカ)
⑧ バリ島・ウルワツ寺院(インドネシア)
⑨ フィンランド・オーロラの森
⑩ 富士山(日本)
次回予告
第2回:マチュピチュ ――天空の書庫に触れる日
石に手を置いた瞬間、
世界が低く唸った気がした。
筆者;灯屋新聞編集部 橋野しおり


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